2026/03/17 06:45

最初の一本
畑で初めて、
剪定を教えてもらう日が来ました。
大きな果樹の前に立ち、
私は少し緊張していました。
師は何も言わず、
一本の木を剪定して見せてくれました。
枝を見て、
迷いなく鋏を入れていく姿。
その作業を
私はただ見ていました。
剪定が終わり、
私は思いました。
これから一緒に剪定を
教えてくれるのだろうと。
しかし師は、
その場を立ち去りました。
「え?」
そう思ったのを
今でも覚えています。
まさかとは思いましたが、
「ここからは一人でやってみろ」
そういうことでした。
何を切っていいのかも分からない。
どの枝を残すのかも分からない。
ただ目の前に
大きなりんごの木があるだけでした。
そこから、
私の剪定が始まりました。
